特許・商標・意匠等の産業財産権の申請等、著作権対策や営業秘密に関する話題等、広く知的財産権に関する記事を載せています。また、私が経営する特許商標事務所についてのピーアールも記載しています。
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13.09.2010
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商標権侵害訴訟に見る商標登録の重要性
>> 知的財産権

 今日は。付記弁理士の山本 真一こと、ヤマシンです。

 先週の金曜日は、厚労省の村木元局長に対する無罪判決が大阪地裁で下されて、話題となりました。私も、公判期日の審理内容から見て、ほぼ無罪判決が下されるものと確信しておりました。この事件程、検察庁の特捜部の捜査がずさんであったことが暴露されたのも珍しいことです。育児休暇も無かった時代に二人の子供さんを育てながらキャリア官僚の道を歩んでこられた村木氏の記者会見のコメントで、「これ以上、私の時間を無駄にしないで」と語っておられたのが印象的でした。それにしても、検察官が事件のストーリーを見通してその通りの構図を取調調書に記載したのを被疑者に認めさせて冤罪が作られるとは、検察庁という組織の大きさを考えると、すえ恐ろしいことです。その様な事件が今後も起こらない様にするためにも、被疑者の取調段階での弁護人の立会によって取調の過程を透明化することが大事ではないかと、思われます。

 さて、上記の事件は刑事事件の話でしたが、8月12日付けで、次の事件内容の商標権侵害訴訟という民事事件の訴訟が京都地裁に提訴されていることが、新聞記事に紹介されていました。

 即ち、京都の嵐山や東京の浅草等の有名観光地8箇所で、以前から人力車による観光案内業を営む、京都に本社がある原告の会社が、浅草の雷門店で人力車を引く従業員が着ている「はっぴ」の背中に付されている文字マーク(黒地の白抜き部分に、太字で「雷」の文字が記載されているマークです。)に対して、昨年の7月付けで、特許庁より商標登録を受けたようです。

 その後の10月に設立された東京の被告会社が、同じ東京浅草の雷門で、「雷」の文字マークが付された「はっぴ」を着た従業員が人力車を引いて観光案内を行う営業を、始めた様です。

 両社の文字マークを比較しますと、確かによく似ております。どちらのマークからも「かみなり」という称呼が生じますし、同じ「雷」という観念が生じています。なにせ、何れのマークについても、白抜き部分に「雷」の太文字が描かれているすぎないのですから。両者のマークで異なる点は、外観です。被告会社の使用しているマークでは、白抜き部分の中の「雷」の太字が左向きに少し傾いているのです。字の構成も、雷文字の上部の「雨」の部分に、被告会社のマークでは、小さな目立たない縦線が2本引かれているのです。どうみても、外観の点に於いても、両マークは類似していると、私には思えます。そこで、原告会社は、被告会社に対して、使用マークの使用禁止の差し止め請求と、損害賠償とを、請求しております。原告会社は、被告会社の上記マークを用いた営業により、「長年の営業努力で培ってきた信用が害されるおそれがある」と主張しております。この事件では、私見ですが、どうみても、雷門の場所での営業に於いては、利用客にとって、同じ業者が行っているサービスであるとの営業主体の混同が惹起される蓋然性が大きいものと思われ、原告会社が「雷」の文字マークを使って以前より培ってきた営業上の信用が、被告会社に好いように利用されて「ただ乗り」されている事態が生じているものと、思われます。その意味で、原告会社側の主張に理があるものと、考えます。

 この様に、商標法は、指定商品・指定役務と同一又は類似の商品・役務に関して登録商標と同一又は類似の他人の商標の使用を禁止させ得る差止め請求や、それに付随して、侵害を構成している物(この事件では「はっぴ」に該当します。)の廃棄請求等の強力な権利の行使を、商標権の効力として可能とすることで、事業者が営業活動により築き上げてきた「業務上の信用」を、換言すれば、ブランドに対して顧客が抱く信用・良いイメージという印象を保護しようとしているのです。これにより、商標法は、商標権の登録を受けた事業者がその営業努力により築いてきたブランドに標章される信用力に対して、第三者が無断でそれに「ただ乗り」することによって不当な儲けを得ることを防止して、公正な取引秩序を維持しようとしているのです。

 商標は、マークであり、マークの使用を通じて当該マーク自体に顧客の信用が化体するので、良いネーミングや、見た目の良いマークは、他人によって、知らないうちに、無権原で使用されてしまう場合が多々生じます。その意味で、標識(ブランド)の管理は、マークを使用して商品を販売したり、サービスを提供する事業者にとっては、重要なのです。そのためにも、使用している又は使用予定のマークについて、他人の権利侵害の事実やその損害額を立証し易くなるように法制化されている商標権を、取得しておくことが、事業者にとっては、経営上、大事となってきます。上記の「はっぴの雷」事件でも、原告会社が商標登録を被告会社の設立日よりも前に取得していたため、この点で、法廷での争いでも、原告有利で訴訟を展開出来ることが期待されます。

 長い記載となってしまいましたが、自己のブランドを他人にただ乗りされて売上等の業績が下がってしまうのを未然に有効に防止するためにも、事業者の方は、事業の継続に際して使用するブランドの権利化を図ることが、経営上、重要であります。

 次回は、「弁理士及び付記弁理士という国家資格ないしは職業とは何ぞや」について、話を記載するつもりです。

以上
12.09.2010
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ご挨拶
>> 知的財産権
みなさん、今日は。

付記弁理士の山本 真一こと、ヤマシンです。

これから、特許や著作権等の知的財産権の分野についての情報を、

順次に判り易く配信していきます。


宜しく!
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